vol.8:治療後のトラブルについて(4)

今月は、治療途中で通院を止めてしまった場合に起き得るトラブルのお話です。
 歯がしみる、痛い、詰め物がとれた等の症状が歯医者に行くきっかけになることが多いと思います。そのときの治療が痛かったとか、歯医者の感じがわるかったとか、痛くなくなったから等の理由で、治療を中断してしまった経験をお持ちの方もいるでしょう。神経のある歯の虫歯の治療を中断してしまうと、仮に詰めているものが取れないうちは、大丈夫なのですが取れてしまうと歯がしみるようになってきます。その時点ですぐに、治療を再開すればいいのですが、放置してズキズキと痛み出してから歯医者に行くと痛みを止めるために抜髄(歯の神経と血管をとってしまうこと)をしなくてはなりません。神経が炎症を起こしているときは麻酔が効きづらいことがあり時に、神経に直接針を刺して麻酔をすることがあります。痛みを止めるために更に痛い処置をされることになるのです。虫歯の治療を中断している方は、すぐに予約の電話をしましょう。
 また、抜髄をしてある歯の治療を中断してしまうと更に大きなトラブルを起こすことがあります。抜髄をするためには、かみ合わせの面に穴を開けて、治療をします。この治療は何回かかかることが多いのですが、その日の治療の最後にかみ合わせの面の穴を仮のふたで塞ぎます。次の治療の時にまた、ふたをはずすので仮のふたはあまり丈夫なものは使いません。この状態で放置すると仮のふたが少しづつとれてきてかみ合わせの面の穴からばい菌が入ります。ばい菌は、歯の根の中を通って顎の骨に入り込みます。こうなると、強い痛みが出たり、ひどい場合には骨が炎症を起こしてしまい入院して治療することになることもあります。抜髄をした歯を放置しているあなた、痛くないうちに予約の電話をしましょう。
 では、また来月。

(2005. 3/2)

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